2024年11月27日

頭を使い書く

おはよう🗻
一昨日の雨は辺りを撫で切るようでそりゃひどかった。

山中は雨と風で騒ぎたて、ダンプがフルスピードで走抜ける凄さ、それも遠慮なく。
大木は唸りを上げ、ときには一定のリズムで叫び揺れ続けもがいていた。
それも一日中だぜ。
周りの山々も想像できるというもんだ。
雑木林をしっかり見ろよ。
枝も葉も無造作に揺れ落ちてしまった。
向こうの青空が透けて見えるのは強い風とたたきつけやがった雨のせいさ。
どっこい!
いつも見ているが彼らは強いぜ。
小さな根をしっかり大地に食い込ませ四方八方に縄張りを広げているのさ。
中にはちょっとしたことで山道に突き出ている根もある。
行き交う山人に数えきれないぐらい踏まれたことか。
宿命と言われりゃそれまでだが。
それでも大地の恵みを送り続けている。
それが仕事さ。

普段は物言わない静寂だけが占めるこの辺り。
山の中。
都会のにぎやかさ、世の中の切なさは無に等しい。

爽やかな風とひと声鳴きの鳥たちにハミングもしたくなるというもんさ。
軽やかに流れ落ちる清らかなやま水。
風に乗り遠くから聞こえる滝の音は自然の名奏者。
それにしても一昨日の豪雨はやばかった。
水位はギリギリお腹のあたりまで来やがった。
山人が渡る危なかっしい山の橋。
たまには山住む獣様もお通りなさる。
基礎はこの辺りに転がっている形崩れた石。
辺りの木々、竹を切り倒し山ツルでガッチリ結わえられている。
そりゃ、年数とともにほころびも出るというものさ。
渡る足元はおぼつかないし、体は左右にも揺れさせる。
ギャル子はキヤア~キヤア~嘘叫び。
男は怖さをひた隠しし無表情を繕う。
ご年配は眉間のおシワがより一層浮き出る。
今日は上天気。
すこぶる気持ちいい。
オツ!
誰か来た。
初心者の登山者さんだ。
私を見て二の足を踏んでいる様がまたいい。
大丈夫、大丈夫ですよ。
私は山中無名橋。



posted by ノンキー at 08:54| 鹿児島 ☀| Comment(8) | tozann | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
蔦の橋を中心に緑深き山中の日常を綴られたんでしょうか。全体として素晴らしい詩的な文章に出来上がっていることに感嘆しました。
山登りの好きなノンキーさんらしい山の描写ですね。
Posted by nibari1498 at 2024年11月27日 16:27
心温まるnibari1498さんのブログに触れ、内容的にも取り入れた文章にしてみました。
ブログ内容も型にはめられることなく投稿しました。
Posted by ノンキー at 2024年11月27日 17:16
こんばんは。
雨よく降りましたね。
素晴らしい文章ですね、文章を書くって難しいですね。
素敵な表現もあって素晴らしいなと思いました。
Posted by ゴンマック at 2024年11月27日 18:44
文章を綴る。
どうしても日常生活においては遠くなりがちと感じました。
一つの語句でも考えて書く。
そういうところに魅力を感じます。
ありがとうございます。😃
Posted by ノンキー at 2024年11月27日 19:50
どなたか名のある詩人が書かれたのかな?と思ったら、ノンキーさんが自由な気持ちを心にためて書き出したのですね~! のびのびした表現に感嘆。
雨がひどかったようですが、直接の被害はなかったでしょうか?
Posted by あらら at 2024年11月28日 05:15
ベタ褒めで天にも上る気持ちです。
なかなか文章を書く機会はないもので、たまにはいいんじやないかと頭を絞り絞り練って練ってみました。
おかげさまです災害には会っていません。

寒くなりましたね。
Posted by ノンキー at 2024年11月28日 13:36
ウヌ、これは誰の作品だっけ、漱石? 太宰?と思いながら、最後まで?でした。名文です。
Posted by jisei at 2024年12月01日 15:38
jiseiさんへ

脳を若いときのままに。
流されないように。
単純な思いつきで作品にしました。


Posted by ノンキー at 2024年12月04日 17:24
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